Oct
03
2008

ブラジル移民100周年記念イベントを体験して感じたこと、学んだこと

Author : tomato | 2008.10.03

ポルトガル語記事へ

conference_s.jpg日本人がブラジルへ移民して、100年がたちました。この機会を記念するためたくさんの行事が行われています。
先日の記事で紹介した通り、私の職場もイベントを開催することになりました。

初めのうちは自分の国、しかも自分のルーツに関するイベントが大々的に開催されるということで、ただ単純に喜んでいましたが、実際に準備を始めてみると何をして良いのかわかりません。

それでも少しずつイベントの方針や大まかなスケジュールが決まり始め、正式に企画が動き始めたのが5月からで、よその団体に比べるとかなり遅いスタートです。

Mangoには「あなたのところだけ101周年記念になっちゃうよ」なんてからかわれたりもして、まったく新しいことをゼロから立ち上げるのがどれほど難しいか、いきなり気付かされることになりました。

その後もなかなか具体的なアイディアは固まりませんでしたが、イベントを運営するにはまず人手が必要ということになり、一般ボランティアを募集。ここで一気に弾みがつきました。

なにしろボランティアの方たちは、私たちのように閉じられた特殊な団体ではなく、広く一般社会で訓練を受け、経験を積まれてこられた方たちばかりです。アイ ディアを出す速さ、まとめる速さ、ロジカルな意見、先を予測する力、行動力どれも私たちの限界をはるかに超えています。これは物凄く勉強になりました。

このような環境の中、ブラジルイベントの具体的な案は急速にまとまり始めると同時に、私にとっては今までにない社会人としての訓練が始まりました。この歳に なって社会人の訓練なんて遅すぎるし、恥ずかしいのですが、良く考えると私の職歴の中で多くの人とつながりを持って仕事をするのは、ブラジルの小学校で教師をしていた数年間だけ。もちろん日本では初めてのことです。

難しい日本語がしょっちゅう飛び出してくる打ち合わせ、それをブラジル人ボランティアに伝えなくてはいけないし、2ヶ国語でのメールのやり取りは胃が痛くなります。日本語の書類は読むのも書くのも大変ですし、さらには私の書いた日本語の書類を関係者に配布する(!)などという恐ろしいことも頻繁に起こりました。

ポルトガル語でも文章を書くのは得意ではありませんから、それが日本語となった時は頭を抱えてしまいました。

それでも周りの人たちの協力のおかげでどうにか仕事を進められた訳ですが、日本語能力試験に合格したくらいで日本人と同じ土俵に立ったと思ったら大間違い。少し日本人に近づいたというだけのこと。そこからがスタートなのに。

昔、合気道の道場でも言われたんですよね、「黒帯を取ってからが入門だよ」って。

ちょっと己惚れていたかも知れません。自分の能力の無さを思い知らされました。

日本語ばかりではありません。

前述の通り、厳しい社会の中を生き抜いてきた人たちは考えるスピード、動くスピードが速いし、幅広い知識を持っています。この方達から出てくる重みのある言葉を聴くたびに、私がいままで如何に楽な生き方をしてきたか身に染みて感じられました。

メール1通に3時間かけていては仕事にならない
報告書に5日もかけては他のことをする時間がない
議事録が1週間後では意味がない
アイディア決めるのに5ヶ月かかっていてはイベントなんてできない・・・

ブラジル移住100周年イベントが近づいてくると、毎日夜の10時を過ぎても仕事が終わらないほど、忙しくなりました。

朝から終電近くまで働くのも初めてでしたから、疲れていないと言えばうそになりますが、忙しい中にも充実感というか一種の興奮のような感覚が出てきたのが忘れられません。

また、外回りの仕事もありました。

他の団体やスポンサーさんのところに出かけて行き、イベントの宣伝をして、話を聞いて、交渉する。

まさかこんなこと自分がするようになるなんて考えてもいなかったので、初めは緊張の連続でした。でも、ブラジルに興味を持って話を聞いてくださる方たちがいらっしゃるんです。そういった方達にお会いできるのだから元気の無い顔はできない、と思っていると、徐々に楽しく感じられるようになってきました。慣れる物なんですね、なんでもやり通していると楽しみが見えてくる。

まだイベントの興奮が残っていて、細かいことを書き続けるとキリがないのですが、それはたぶん、書ききれないくらいたくさんの勉強と貴重な経験ができたからだとおもいます。

昔習った、「喉元すぎれば・・・」という諺を思い出しましたが、「熱さを忘れる」なんてものではありません。

いまだに私の中でカッカと燃えている感じです。この熱さが続いているうちに、ブラジルイベントの運営から学んだことを次の勉強、努力につなげて行きたいと考えています。そして、そう考えられるようになったことが今回の最大の収穫だったのかもしれません。

最後になりますが、毎日家を空けてばかりいた私をサポートしてくれた家族に、このイベントのためにブラジルから来てくれた両親に感謝します。

一緒に遅くまで働いた職場の皆さん、いつも仕事の遅い私を助けてくれてありがとう。

そして、数々の貴重な意見と力強さでイベントを影から支えてくださった、ボランティア・運営委員の皆様。
この方々の協力なくしてイベントの成功はありえませんでした。

皆様とのご縁は私にとって大切な宝物になりました。
そして、私は本当にすばらしい経験をさせてもらいました。

皆様お疲れ様でした。そしてありがとうございました。 
Muito Obrigada!

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コメント / Comentário[4]

お疲れ様でした!!
何事もやり遂げると気持ちのいいものですね!
これでやっと落ち着けるようになったかな??

近いうちに暇なときにでも顔出しますね!

No.1428のNaoさんのコメントへの返信

コメントありがとうございます。

>何事もやり遂げると気持ちのいいものですね!

本当にその通りですね。
私はいつものラテンな性格で面倒くさいことはすぐ逃げてしまうことが多いので、今回は良い勉強になりました。

せっかくに見つけた喜びを忘れてしまわないように、これから大切に育てたいと思います。

tomatoさんの情熱のこもったメッセージは私もすべての初心を思い出す機会になります。そして、大きなイベントが終わったあとは、熱い気持ちはそのままに、かつ冷静に分析できるいい機会なんだなあ、と改めて思います。
結婚はゴールではなくスタートである、とか、卒業は新たな一歩を踏み出す機会である、とか、そんなことも頭にめぐります。
さあ、私も気持ちを新たに再出発しますか…。
Muito Obrigada!

No.1436のコナイツキーさんのコメントへの返信

イベントが終わり、冷静になって分析すると見えていなかったところやうまくいかなかったところの解決法がわかるのですね。

次回はもっと良いものができると自身につながっていく気持ちは初めて感じています。
学んだことを次のステップにもって行きたい気持ちでいっぱいです。
社会勉強させてもらったことで、私の世界が広がりました。

私が今ここにいられるのは皆さんのサポートがあるからです。

この気持ちを忘れずに、毎日過ごしていきます。

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